2021-07

刀姫in世直し道中ひざくりげ 鬼武者討伐編

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 第3話 芥藻屑との戦 ノ5~7

 お銀の話しから記憶の引き出しが一つ開いた蓮左衞門が喋る。「韋駄地源蔵の名なら聴いたことがあるでござる。確か元々は武家の者だったらしいが、ある事件をきっかけに家と身分を失い、いつの間にやら地元から姿を消したとか。戦場で他の者を救った武勲は数...
刀姫in世直し道中ひざくりげ 鬼武者討伐編

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 第3話 芥藻屑との戦 ノ2~4

仙花とお銀の二人が立つ川に架かった橋へ、蓮左衞門は荷物を背負い、九兵衛は仙花の旅装束の残りと下着を持ち、雪舟丸は言わずもがな居眠りしながら駆けて来る。「仙花様~!ご無事で何よりでござる!」「お助けになった娘はもう大丈夫でやすよ~!これをお召...
刀姫in世直し道中ひざくりげ 鬼武者討伐編

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 第2話 出雲の地へ ノ11~12  第3話 芥藻屑との戦 ノ1

 僅かな時間で橋の麓へ辿り着いた仙花が床板を颯爽と走り抜け、ひれ伏す女子の両親と立ちすくむ野盗らのあいだに躍り出た。 橋の床板に転ぶ射られて屍と化した男を指差し仙花が告げる。「野党ども、此奴のようになりたくなければ後ろを向きこのまま立ち去る...
刀姫in世直し道中ひざくりげ 鬼武者討伐編

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 第2話 出雲の地へ ノ8~10

 お銀がぽかぽか陽気の日に氷の如く冷たい視線を雪舟丸へ送る。「ああそうかい。あんたの噂は以前から時折り耳にすることがあったれど、拍子抜けさねぇ。てんで的外れだったみたいだよ」 早くも握り飯をムシャムシャと食べる雪舟丸が眉をピクッと動かして訊...
刀姫in世直し道中ひざくりげ 鬼武者討伐編

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 第2話 出雲の地へ ノ5~7

「何処かに手頃な棒っきれはないかのう...おっ!あったあった♪」 道端に落ちている足の長さほどの竹箒にも使えそうな棒っきれを拾いあげ、嬉しそうに雪舟丸に近づく仙花。 そうとは知らずに居眠りを続ける呑気な雪舟丸。 斯くして一方的では甚だ迷惑な...
刀姫in世直し道中ひざくりげ 鬼武者討伐編

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 第2話 出雲の地へ ノ2~4

「拙者も初見あればときめいてござるよ」「僭越ながらあっしもでやんす」「う~む、儂も皆に同感じゃな」 先に口を開いたお銀に続き、蓮左衞門に九兵衛、それに仙花を加えた四人は、雪舟丸の「居眠り歩き」を目の当たりにし、揃いも揃って興味津々のようであ...
刀姫in世直し道中ひざくりげ 鬼武者討伐編

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 第1話 旅立ち ノ23~24  第2話 出雲の地へ ノ1

 仙花が口にした「座頭市」の名は、近頃水戸藩周辺の地域に出没している盲目の旅人のものである。 西山御殿まで伝わった風説によれば、盲目でありながら杖を突きつつ徒歩で一人旅をしており、見たものは僅かであったが、恐ろしく剣の腕が立つ者らしい。 こ...
刀姫in世直し道中ひざくりげ 鬼武者討伐編

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 第1話 旅立ち ノ20~22

忍者の戦闘スタイルは侍のそれより多様である。 しかも相手が同じ忍者となれば忍法合戦もアリの状況で刀を手に取った磨伊蔵。「ほ~、これは面白い。忍者にしては珍しく先に刀を出すとは...よほど自信があるんだねぇ...じゃああたしもお付き合いしちゃ...
刀姫in世直し道中ひざくりげ 鬼武者討伐編

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 第1話 旅立ち ノ17~19

光圀が微妙に目を細め、重要な話しをする際に時折見せる真剣な表情を作り出す。「無論じゃよ。お主も知っておるとは思うが...妖怪、いわばこの世の者とは思えん怪異の存在をお主も一度や二度は耳にしたことがあるであろう?」「.......うむ。絹江や...
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刀姫in 世直し道中ひざくりげ 旅立ち ノ14~16

「...............................」「....さま。....っさま。じっさまじっさまじっさまーーーーっ!」「おっ!?おうおうおうおうおう!?」 刀と黒い板の話していたはずがいつの間にやら記憶を遡り、一人物思いに...