沖田総司の忘れ形見は最高の恋がしたい!

沖田総司の忘れ形見は最高の恋がしたい!

沖田総司の忘れ形見は最高の恋がしたい! [第一部最終話]

サッと人力車に乗り込むと、伊達さんが不気味な笑みを浮かべて言う。「お嬢様、今日は時間が無いんで飛ばしますよ~。へへへ、しっかり掴まっててくださいね!」「だ、伊達さっ!?どわっ!?」 わたしが「ほどほどに」といい終える前に、「ドヒュン!」と音...
沖田総司の忘れ形見は最高の恋がしたい!

沖田総司の忘れ形見は最高の恋がしたい! [バタバタと]

寝坊するという失態があったものの、師匠とお祖父様のお陰で門下生への指導も無事に終わった。 今は12時を少し回ったところ。 千歳との待ち合わせは午後2時に学校前でということになっている。 わたしは急いで部屋へ戻り、汗を拭いて着替えながらふと考...
沖田総司の忘れ形見は最高の恋がしたい!

沖田総司の忘れ形見は最高の恋がしたい! [剣術の指導]

場面は飛んで、樹様の道場へ行く初めての日の朝を迎える。「ふぁ~...よく眠れたなぁ」 布団の上で身体を起こし、掛け時計に寝ぼけた眼を向けると10時を少し回っていた。「なにっ!?もうこんな時間なの!?」 毎週日曜の朝は、10時から2時間ほど門...
沖田総司の忘れ形見は最高の恋がしたい!

沖田総司の忘れ形見は最高の恋がしたい! [恋する乙女]

 神楽坂先生と女学生らの全員が教室へ戻ったのは丁度お昼休みの頃である。 あんな事件の後だから女学生達の食欲も無く...と思いきやそんな事は無く、いつもと変わらぬ光景が展開されていた。 わたしと千歳もいつもと変わらず二人でお弁当を食べていると...
沖田総司の忘れ形見は最高の恋がしたい!

沖田総司の忘れ形見は最高の恋がしたい![事件の結末]

「司、恋愛経験の無い貴方にしては上出来だったんじゃないかしら?これでいつでも樹様のお住まいへ逢いに行けるわねぇ」 千歳が小悪魔っぽい笑みを浮かべてわたしを茶化す。 「も、もう!茶化すのはやめてくれないかしら...ん~でもこれはやっぱり貴方の...
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沖田総司の忘れ形見は最高の恋がしたい! [学校裏の神社]

「ヒャッ!?」 わたしは後ろに居る千歳から突然指で腰を突かれ、驚きの変な声を上げてしまった。「そんなんじゃなくて樹様のことを訊きなさいよぉ」 更に千歳が小声で耳打ちして来た。「で、でも。今はそれどころじゃないような…」「あとで後悔しても知ら...
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沖田総司の忘れ形見は最高の恋がしたい! [図々しさは時に必要?]

「と、通りま~す。あっ、ごめんなさい。ごめんなさい。本当にごめんなさーい!」 千歳に半ば強引に突き動かされ、樹様を女学生達が囲む中に入り、謝りながら人混みを掻き分けていく。 何とか樹様が視界に入る位置まで辿り着いたけれど、宝城さんが樹様の手...
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沖田総司の忘れ形見は最高の恋がしたい! [救世主は…]

斬られるっ!? と諦め目を瞑ったその時!「パッキィン!」 刀が何かに叩き折られる音が響いた! 目を開けると目の前に一人の殿方が木刀を持って立っている。「玄次郎さん!此処までです。いい加減正気に戻って下さい!」 この声はまさか...「うるさい...
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沖田総司の忘れ形見は最高の恋がしたい! [気合を入れる]

 殿方の上段斬りを右横に転がりかわす! その直後にわたしの居た空間を真剣が通り過ぎた。 この人は本気で斬りかかってくる… 剣術を習い始めてから初めて命の危険にさらされ、顔からサーッと血の気が引いていくのが分かった。 今の太刀筋だけを見れば、...
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沖田総司の忘れ形見は最高の恋がしたい! [真剣との初対峙]

「ぼ、僕のものにならないのならば…あ、貴方を、こ、殺して僕も死ぬ…」  狂乱の殿方がブツブツと恐ろしいことを言い出した。 そして、ブルブルと震える手で鞘から刀を抜く。「キャーッ!キャー!」  一部始終を観ていた取り巻きの女学生が悲鳴を上げる...