2021-09

刀姫in世直し道中ひざくりげ 鬼武者討伐編

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 第3話 芥藻屑との戦 ノ68~70

 蛇腹の中央社前では、蓮左衛門と鷲尾雷角による激しい、否、一方的な一騎討ちが展開されていた。「わっ!?っと!」「ズン!!」 芥五人衆最後の生き残り鷲尾雷角が扱う六角金棒は巨大な鉄の塊のような物であり、それを人間が扱えるなどとは到底思えぬ重さ...
刀姫in世直し道中ひざくりげ 鬼武者討伐編

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 第3話 芥藻屑との戦 ノ65~67

 韋駄地が長槍を雑に放り投げ、先程抜いた刀一本で構えを取る。 「貴様は殊の外素早い。この刀で勝負するとしよう」 相手の実力を認めたのは仙花だけではなかった。 彼女の速い動きに対応するには攻撃範囲の広い長槍も、速く鋭い攻撃を展開できる刀が適当...
刀姫in世直し道中ひざくりげ 鬼武者討伐編

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 第3話 芥藻屑との戦 ノ62~64

 残った討伐隊の十数人は百人居た兵士達の中でも精鋭の者達である。  彼らは今までの人数に頼った闇雲な戦い方ではなく、韋駄地源蔵の攻撃をかわしながら隙を作り、そこを攻めて討ち取る作戦に切り換えて応戦した。 この作戦には、此処まで激しく動き縦横...
刀姫in世直し道中ひざくりげ 鬼武者討伐編

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 第3話 芥藻屑との戦 ノ59~61

 八方塞がりの紛れもない絶対的窮地に追い込まれた韋駄地源蔵。 しかし、彼はこの如何ともし難いはずの土壇場で不敵に笑う。 自害、又は降伏という選択肢もあったろうが、そのような不甲斐ない道を選ぶような彼ではなかった。 手に持つ刀を鞘に収め、戦場...
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刀姫in 世直し道中ひざくりげ 第3話 芥藻屑との戦 ノ56~58

「みっ、皆様方聴いてくださいませ~!あっしはとある高貴な身分のご主人に使える薬師の泰時九兵衛(やすとききゅうべえ)と申しやす!...もうお察しかとは存じやすが、あっしらはあなた方を救うとともに芥藻屑を滅ぼすために蛇腹を訪れた次第でしてぇ、あ...
刀姫in世直し道中ひざくりげ 鬼武者討伐編

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 第3話 芥藻屑との戦 ノ53~55

 飄々と喋る可惜夜千里に若干調子を狂わせられた雪舟丸だったけれど、持ち前の絶対的な集中力でもって軽くいなす。「...くく、是非ともそうあって欲しいものだな。ときに、念のため聞いておくがお主、芥藻屑の人間ではないのだろう?」 雪舟丸の意外な問...
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刀姫in 世直し道中ひざくりげ 第3話 芥藻屑との戦 ノ50~52

「分身の術かっ!?」「そうだ!」 くノ一のお銀が不可思議な現象を忍術の一つである「分身の術」と分析し、即座に判断するや否や、背後から果綱紅樹の低い声が聞こえ斬りかかって来た!「ドンッ!」「ぐっ!?」 ほぼ反射的に反応したお銀が向きを変えずそ...
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刀姫in 世直し道中ひざくりげ 第3話 芥藻屑との戦 ノ47~49

「蓮左衞門!」「合点承知にござる!」 声のみで意思疎通を図った仙花と蓮左衞門は、互いに背中を合わせる立ち位置に構え、複数人で襲いかかって来る賊に応戦する。 芥藻屑は数において比較するまでもないが圧倒的優勢である為、そこに明らかな油断が生じ揃...
刀姫in世直し道中ひざくりげ 鬼武者討伐編

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 第3話 芥藻屑との戦 ノ44~46

一方、お銀の次に蛇腹への侵入を成した得た雪舟丸。 彼は侵入するまでの勢いこそあったのだが、今の今まで西門を潜って最初の家屋付近で進めるべき脚を止めいていた。 門番以外の敵を一人も葬らずに、である。 状況からしてまた居眠りでもおっ始めたのだろ...
刀姫in世直し道中ひざくりげ 鬼武者討伐編

刀姫in 世直し道中ひざくりげ 第3話 芥藻屑との戦 ノ41~43

 前にいたもう一人の男が背後の気配を感じて後ろを振り返る。「ヒュン!」 男は雪舟丸をしかと認識する間もなく首を刎ねられ命を断たれた。「引っかかってくれるものだな...何とも間の抜けた奴らよ...」「チン」 雪舟丸はボソッと悪口を呟き納刀する...