建設業経理士1級 原価計算 試験対策 自己流まとめ ノ12 原価計算単語一覧④

建設業経理士試験攻略 自己流!

財務諸表作成目的

(原価計算の財務諸表作成目的)

この原価計算は最終的に損益計算書に記載される売上原価と、貸借対照表に記載される仕掛品、製品等の棚卸資産価額を決定するための基礎資料を提供するものであり、したがって、期間損益の算定と直接的に関連する原価計算である。実務上は複式簿記と有機的に結合しており、勘定間の振替のための原価計算といってもよい。

材料主費

材料の購入代価であり、送り状価額から値引きや割戻しなどの額を控除したものである。ただし、割引額は通常は営業外収益として処理されるから、購入代価から控除しない。

材料副費

材料の購入から消費にいたるまでの作業に付随する費用で、外部副費と内部副費とがある。外部副費は材料の取引費用で、買入手数料、引取運賃、保険料、関税等がこれに含められている。また内部副費は材料の取扱費用で、購入事務、検収、選別、整理、手入れ、保管等に要した費用である。

材料(あるいは材料貯蔵品)

経営の目的とする生産物の製造および販売のために、外部から購入した物品をいう。ただ、販売あるいは営業に関する材料は、原則として期間費用として処理されるから、原価計算上の材料といえば、製造上のそれをいうと考えてよい。そしてその消費額が材料費である。

差額利益分析

差額原価および差額収益分析のこと。

先入先出法

先に取得したものから順に払い出されると仮定して、棚卸資産の取得原価を払出原価と期末原価に配分する方法である。

作業機能別分類

企業経営を遂行した上で、原価がどのような機能のために発生したかによる分類。

差引計算

ジョイント・コストの一部(より小なる部分)を機会原価的に評価し、全体からこの評価額を差し引いて、残りの大なる部分を決定する方法。主産物と副産物の分割計算などに利用される。

時間法

直接作業時間法、機械運転時間法、車両運転時間法のこと。

次期予定操業度

対象期間に現実に予定される操業度を予想する方法であり、単年度のキャパシティ・コストを当該期間の生産品に全額吸収させてしまおうとする方法。

事後原価計算

実際原価あるいは歴史的原価の測定で、工事の進行中に累積され最終的には工事終了後に確定される原価計算である。この事後原価計算は、第一義的には、外部報告書としての財務諸表の作成のために実施されるものであるが、原価管理を効果的に行うためには、先の予算原価計算や標準原価計算と有機的に結合してシステム化されなければ意味がない。

実現可能最大操業度

経営の有する能力を正常状態で最大限に発揮した時に期待される操業度を基準操業とする方法で、アイドル(遊休)となってしまった経営能力を析出しようとする狙いがある。

建設業の工事現場は、あくまでも臨時的なものであるから、ここで生ずると予想されるキャパシティは、現場の保全がなされる期間の生産物に吸収させなければならないから、どちらかといえば、次期予定操業度が適している。

しかし、建設用の機械や車両については、これらの固定資産のもつ物理的なキャパシティを測定し得るから、実現可能最大操業度を適用した方が、論理的といえる局面もある。

実行予算

会計危機感に合わせて大綱的に編成される予算が基本予算であるが、より日常的なコントロールを強化するためには、月次や3か月単位の精度の高い予算、すなわち実行予算を編成しなければ効果的ではない。一般に、見込生産形態の企業では販売予測を中心とした基本予算が、受注生産形態の企業では個別業務を中心とした実行予算が重視される。

実行予算差異分析

工事1件ごとの個別的な採算確保と工事管理者毎の業績評価を目的としている。

実際原価

 実際の消費量 と 実際の価格 または 予想の価格 で計算する原価である。

実際配賦法

配賦率算定式の分子に一定期間(通常は1年間)について予定される工事間接費実際発生額を置き配賦率を算定し、配賦を行う方法。

支払賃金計算

本来的に支払賃金計算(給与計算)と消費賃金計算(労務費計算)とを区別しなければならないが、建設業のような個別原価計算ではあまり重要なことではない。ただ、建設資材の製造原価計算では、原価計算期間に帰属する労務費の把握が基本であるから、この区分は大切である。

資本予算

長期的な設備投資計画や各種プロジェクトに関する資本的支出予算を中心としたものであり、経常予算の前提たるキャパシティに変更を与える予算である。通常の企業予算の編成は経常予算を中心に展開され、資本予算は長期的経済計算の性格をもつことが多い。

社内センター制度

部門別計算での原価部門とは、計算組織上の単位であり、時に建物費や一般費などといった抽象的な原価部門が設定されることもあることが強調された。これに対して、ここでいう社内センターとは、施工部門のために補助的なサービスを提供する部門を、組織管理的な意味からも確立した場合のものをいう。このようなセンター化は、受注工事の施工活動を効率的に進行させるのに役立つばかりでなく、当該補助サービス活動の能率測定にも有効で、全社的な工事原価管理に資することが期待される。

社内損料計算制度

社内の他部門サービスを、あたかも他から調達して使用料を支払うかのごとく計算して、その金額を工事原価の中に算入していくシステムをいう。

社内損料(社内使用料)を運用することに意義あるサービスの典型は、仮設材料と建設機械である。

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