世界樹とハネモノ少女

世界樹とハネモノ少女

世界樹とハネモノ少女  「第一部 最終話」

 試合場中央にアディア国王グラール、女王リディア、剣聖七葉の7人、闘技大会の運営委員会の面々が集結し、優勝者を讃える表彰式の準備が整った。 運営委員会委員長のパルコという男が司会進行を務め、表彰式開始の挨拶を済ませるとミアを試合場中央に誘導...
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世界樹とハネモノ少女  「優勝者ミア」

 手刀により出来たミアの胸部の傷が徐々に塞がり出血が止まって行く。 床に倒れたままのフィンの身体はピクリとも動かない。 審判員が近付きフィンの様子を確認して告げた。「フィンの気絶による戦闘続行不能を確認した。よって、この試合の勝者をミアとす...
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世界樹とハネモノ少女  「力と力」

「ババン!」 突如としてフィンの両腕が動き、掌を床に叩きつけその反動で立ち上がった! 確認しようと近づいていた審判員が慌ててその場を離れる。 選手控え席のサカズキが驚きの表情を浮かべて言う。「あの兄ちゃんまだ闘うつもりか!?双剣は使い物にな...
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世界樹とハネモノ少女  「総力戦!」

 炎の剣は一振りごとに「ゴオッ!」と音を立てて炎が上がり、氷の剣も同じく一振りごとに氷が「ピキン!」と音を立てて拡散する。 炎の剣と氷の剣のぶつかり合いは、魔法剣対魔法剣の総力戦という様相を呈していた。 この迫力ある闘いを観ていた観戦客にも...
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世界樹とハネモノ少女  「二人の特別な子」

 ミアが空中で一回転して着地すると、青白いオーラに包まれたフィンが向かって来る!「ギィン!ギィン!ギィン!」「くぅっ!?わっ!?」 観戦客から見ても序盤と明らかに違う攻防が展開する! 序盤では互角だった二人の攻防が、今はミアの防戦一方になっ...
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世界樹とハネモノ少女  「魔法の激突」

「氷よ凍てつけ。氷の剣技!ブリザードラッシュ!」「出でよ炎!」 フィンが魔法剣を発動させるのとほぼ同時に、ミアが左手に魔法による炎を出現させた!「シュシュシュッ!」 フィンが剣を振ると複数の鋭利な氷の塊がミアに襲いかかる!「行っけーーーっ!...
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世界樹とハネモノ少女  「決勝戦開始!」

 大声援が飛び交う中、試合場の中央に並んだミアとフィンの二人が、国王の居る方を向き綺麗に直立する。 そして、示し合わせたかのように同時にお辞儀をすると、アディア国王グラールが二人に向かって手を振った。 二人は頭を上げてサッと向かい合う。 い...
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世界樹とハネモノ少女  「アディア国王グラール」

 ナーシャはミアの話しを聞いて、魔法の力ではなく、何か別の力がミアに備わっているという事だけは理解できた。「...そう、何となく分かったわ。話しは変わるけど、決勝の相手は誰になったの?やっぱりあの少年?」 ミアは少し驚いた表情をして答える。...
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世界樹とハネモノ少女  「回復したナーシャ」

 サカズキがフィンに握手を求め手を差し出す。「お前さん、口だけじゃなく本当に強かったよ。完敗だ」「僕も貴方が予想外に強くて驚かされましたよ」 フィンはサカズキと握手を交わして試合場を出て行き、そのまま真っ直ぐミアの居る方へ向かう。「君はあん...
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世界樹とハネモノ少女  「試合の終わり」 

「まずは…」 フィンが目をつむり「ふぅーっ」と息を吐くと...「ボウッ!」 身体を光が一瞬包んだかと思うとすぐに消えた。「これで身体の痺れは無くなった。じゃあ反撃させてもらいますよ!」 そう言うと剣をゆっくり前に構える。「氷よ凍てつけ。氷の...