やしあか動物園の妖しい日常

やしあか動物園の妖しい日常

やしあか動物園の妖しい日常 89~第一部最終話

[猫と話す条件]「ご馳走様でしたって!お風呂に入って来るね!」 急いで夕食を済ませ魔女秘伝の入浴剤入りのお風呂に浸かる。「はぁ~、良い気持ち~生き返るわぁ」 今日も色々あって思いのほか疲れていた身体が、暖かいお湯と魔女秘伝の入浴剤の効果で癒...
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やしあか動物園の妖しい日常 86~88話

[イメージが変わる]「謝らなくても良いですよワッパさん。僕らは全然気にしていませんから。ね、紗理っち」「もちろんです。ワッパさんの妙薬があったからリンさんやわたしの体調が良くなったんですから」 わたしと久慈さんがそう言うと、ワッパさんの表情...
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やしあか動物園の妖しい日常 83~85話

[やしあか農園] 保管倉庫を出て本日最後の給餌まで済ませた頃には日が暮れ始めていた。 事務所へ向かう戻り道の途中で、久慈さんにやしあか農園について訊いてみる。「あの、昼休みに園長から訊いたやしあか農園なんですけど、何処にあるのか知ってます?...
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やしあか動物園の妖しい日常 80~82話

[唐揚げ&餃子&豚汁]「ご馳走様」 わたし達が日替わり定食を食べ始める前に、普段は表情の変化に乏しい園長が満足そうな顔をして天ぷら定食を食べ終わった。「わたしは用事があるので先に失礼しますよ」「あ、はい。ワッパさんの件はありがとうございまし...
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やしあか動物園の妖しい日常 77~79話 

[不自然に動く水草] 担当動物コーナーから事務所までの道を歩くと、右手に一つの小さな池が見える。 その池の前を通る際にふと[河童の妙薬]のことを思い出した。「久慈さん、池掃除担当の河童のワッパさんて確か園内のどこかの池にいるんでしたよね?」...
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やしあか動物園の妖しい日常 74~76話

[副園長で天狗のグテンさん]「おはようございます!久慈さん!」「...おはよう紗理っちぃ。休み明けだというのに元気だねぇ」 そう言う久慈さんは顔色も悪く少し元気が無いように見える。 もうすぐ朝礼があるから終わった後ででも何かあったのか訊いて...
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やしあか動物園の妖しい日常 71~73話

[猫の名は]「お母さん!子猫!子猫がどこに居るか知らない!?」 ダイニングキッチンに駆け込み直ぐに訊いた。「何をそんなに慌てているのよ。ほら、お父さんを見てみなさい」「ん!?」  父を見ると、子猫を腕に包み込むように抱き哺乳瓶でミルクを与え...
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やしあか動物園の妖しい日常 68~70話

[子猫のよちよち歩き] 定食屋を出たあとは特に何がしたいという訳でもなかったので家に帰ることにした。「はぅ~、こんな筈じゃ無かったんだけどなぁ」 自転車のペダルを漕ぎながら手ぶらの自分を嘆いてボヤく。 河原を通ると川の水がキラキラと輝いて見...
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やしあか動物園の妖しい日常 65~67話

[猫を飼いたい] 皿洗いの手伝いを終えて、ニ階の自分の部屋のベッドに寝転んだ。 ダラダラとスマホでネットニュースをを見ながら独り言を呟く。「明日は休みだけどな~んにも予定入って無いんだよな~」 そう、明日はやしあか動物園に勤めてから初めての...
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やしあか動物園の妖しい日常 62~64話

[元気づける] 外のベンチにアズキさんがちょこんと座り、約束通り待っていてくれた。「お待たせしました。アズキさん」「ううん、全然大丈夫」 わたしはアズキさんの横に座ったけれど、黙っているので暫く沈黙に付き合う。 事務所のある場所は小高い丘の...