一輪の廃墟好き

一輪の廃墟好き

一輪の廃墟好き 第117話~第119話「ハイボール」「有意義な時間」「寝起き」

 人によって偏見や好みはあろうけれど、僕は男同士、しかも一対一での呑み会にはなんの抵抗も持っていない。 軽くそうは云ったものの、無論、無条件で誰が相手でも抵抗が無いわけでもない。 今回の場合、相手が刑事という特殊な職に就く人間であり、人生経...
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一輪の廃墟好き 第114話~第116話「小娘」「ヒロイン」「泥酔」

 淀鴛さんとの酒を嗜みながらの会話はさらに続いていたが、ふと時間が気になったのでスマホで確認すると、既に22時を回っていた。 「民宿の食事場で流石にこの時間をまずいだろ」と思い。「淀鴛さん、これ以上ここに居ては女将さんのご迷惑になりますので...
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一輪の廃墟好き 第111話~第113話「滑る」「面接」「存在」

「わたしたちを出迎えてくれたのは、きっとここで亡くなった前の女将さんだと思う...」 未桜に茶化された所為で、程なく驚きの感情が薄らいではいたが、彼女が不意に真面目な顔をして言うのでこちらとしても真面目に受け止めざるを得ない。「...そうか...
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一輪の廃墟好き 第108話~第110話「シンクロ」「寝るな!」「セリフ」

「牛肉爆食いズルズル娘」は縛らく放っておくことにして、僕が牛肉以外の素材すべてを味見し終えた頃。「お待たせしてすみませんねぇ、生二つと白ご飯でございますぅ」 待ってました!生若女将(仮)! 僕は心の中で歓喜し小躍りしていた。 すき焼きの食材...
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一輪の廃墟好き 第105話~第107話「生卵」「キノコ」「豆腐」

「もうすき焼きの方はお召し上がりなれると思いますので、お好みでそちらの卵を使ってください」 若女将(仮)がそう言って僕達の場を去ったあと、未桜は即座に土鍋の蓋を開けた。 土鍋の中はすき焼きのスープが沸騰グツグツと音を立てて沸騰しており、美味...
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一輪の廃墟好き 第102話~第104話「腹の虫」「当然」「すき焼き」

 自分たちの部屋へ鍵を開けて入ると、シチュエーション的にお決まりの事態が待ち受けていた。 そう、最初に入った時には木製のテーブルが置いてあった場所に、真っ白なカバーに包まれた清潔そうな布団が二組、びったりとくっつけて並べられていたのである。...
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一輪の廃墟好き 第99話~101話「けんもほろろ」「微賞賛」「上の中」

 きっと彼女も露天風呂に目をつけ、同じように歓喜しながら入浴していたのだろう。「おっ、おう助手。この温泉は想定外に大当たりだったな...って、君はなんちゅうことをしているんだ!?」 彼女は竹製隔て板(仮)の最上部からこちら側に腕を出し、当然...
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一輪の廃墟好き 第96話~第98話「効能」「イエティ」「リアル天国」

 水中に半身が沈んだ瞬間、有頂天に飛び込んだ僕は「ハッ!」として目を見開く!「ブゥオボボッ!?」 温泉の底が予測していたよりも浅かったため、僕は慌てて両の掌でタイル張りの底を叩き直撃を免れた。「プゥハァッ!!」 水面に顔を出し、大きく息を吐...
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一輪の廃墟好き 第93話~第95話「罪」「超人?」「はしゃぐ」

「よっこらせっ」 最近はあまり耳にすることのなかった掛け声を漏らして、老爺が木製の床に落ちた八恵さんの入歯を拾い上げ、驚くことに自分の首に巻いていたタオルで入歯を拭き始めた。 親切心は理解できるのだが、流石にそれはちょっと引かざるを得ないよ...
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一輪の廃墟好き 第90話~第92話「好み」「番台に座る老婆」「衝撃的」

 民宿むらやどの若女将(仮)さんが言っていた通り、天然温泉の在るという施設へは徒歩で丁度5分ほどで着くことが出来た。 手前勝手ながら「温泉センター」のようなある程度は大規模な施設を想像していたのだけれど、辺境の地と云っても差し支えないであろ...