一輪の廃墟好き一輪の廃墟好き 第58話~第60話「宇宙規模」「小雨」「悪天候」 丁度良い機会だから云っておこう。 廃墟探索を趣味というか好んで行う者の奇特な心理についてであるが、単なる好奇心、怖いもの見たさ、果てはお宝発掘的な希望などなど正に十人十色である。 因みに僕の場合は廃墟探索の現場で不思議と感じてしまう、「哀...2022.04.21一輪の廃墟好き
一輪の廃墟好き一輪の廃墟好き 第55話~第57話「山猫」「足跡」「醍醐味」 「助手よ、見えたか?」「うん、ほとんど見えた。あれは絶対に猫だったよ」「僕もハッキリではないが猫にしか見えなかった。しかし、普通の野良猫では無く、恐らくは山猫といったところだろうな...」「そう言われればそうかも知れない、かなぁ...」 目...2022.04.20一輪の廃墟好き
一輪の廃墟好き一輪の廃墟好き 第51話~第54話「ルール」「生活臭」「襖の隙間に」「鳴き声」 僕は事件のあった早く現場へ行きたいという気持ちを抑え、一旦、目の前の半壊した家の入り口から中へ入った。 埃被った見窄らしい玄関を、申し訳ないと思いながらも土足で上がらせてもらう。「ぬぬぬ、なんだ、この戸は?全然開かない...」 障子紙がほ...2022.04.19一輪の廃墟好き
一輪の廃墟好き一輪の廃墟好き 第48話~第50話「御神体」「淀鴛家」「30年前の事件」 備品などが破壊されたり消失してしまったがらんどうな拝殿は、廃墟独特のある意味寂しげな情景を醸し出していた。 散々、破壊者や盗人のことを云っておいてなんだが、人が廃墟へ侵入して悪戯に害を成したであろう形跡も、この空間にノスタルジックな雰囲気...2022.04.18一輪の廃墟好き
一輪の廃墟好き一輪の廃墟好き 第45話~47話「廃墟探索」「愚痴」「腐食」 淀鴛さんの願いが僕の予測の範疇を超えて来なかったことに少しばかり安堵した。 というか30年前かの事件の話しが聞いた通り事実だとすれば、時間の許す限り協力したい気持ちもあったくらいである。「淀鴛さん、お安い御用です。何か気付いたことがあれば...2022.04.17一輪の廃墟好き
一輪の廃墟好き一輪の廃墟好き 第43話~第44話「煙草」「三つ目の願い」 悪臭を放ちながら燃え盛る炎から離れ、井戸水を汲み上げようと手動式ポンプの取手をグッと握りる。 鉄製の取手を握った手を通して身も凍るような冷たさが全身を襲う。 併せて冬の夜の冷気に包まれた幼い俺の頭は少しだけ冷静さを取り戻した。 だが下手...2022.03.30一輪の廃墟好き
一輪の廃墟好き一輪の廃墟好き 第41話~第42話「孤独感」「炎」 幼い頃の俺は夜の9時くらいに就寝するのが通例で、この日も確かそれくらいの時刻に就寝したと思われる。 俺は居間から寝室に入り、3つ並んでいる布団の左端が父で、真ん中が右端と決まっていた。 いつだったか母から訊いた話しでは、俺が寝たあと暫くは...2022.03.28一輪の廃墟好き
一輪の廃墟好き一輪の廃墟好き 第39話~第40話「冬の土鍋」「五右衛門風呂」 俺は目をガンと見開き、自身の周囲や森の方まで確かめたのだが、人影はおろか動物一匹見当たらなかった。 誰にでも一度はあるであろう人が視線を感じるという現象は、存在自体が不透明な第六感の話しは別として、人の目を気にしすぎる自意識過剰が主な原因...2022.03.26一輪の廃墟好き
一輪の廃墟好き一輪の廃墟好き 第37話~第38話「裏庭」「目線」 5歳の頃の俺がそのようなことに興味がある筈もなく、神社に訪れる人々に対しては、俺と父母との遊ぶ時間を奪う嫌な大人たちがまた来た、くらいにしか思っていなかったような気がする。 来訪者あってこそ燈明神社の存続させることができ、淀鴛家のプライベ...2022.03.25一輪の廃墟好き
一輪の廃墟好き一輪の廃墟好き 第35話~第36話「八百万神」「思想の自由」 俺、淀鴛龍樹(よどおしたつき)が5歳になったとある寒い冬の日、その壮絶さゆえに一生忘れられないであろう事件が起こる... 過去の壮絶な事件を語る前に、ワンクッションというか一つだけ言い訳でに近い断りを入れておく。 人の記憶の発達というもの...2022.03.22一輪の廃墟好き