12月のとてもさむい日のお話です。
ダンベールという町の中を、二ひきののらの子ネコがあるいていました。
二ひきはなかのいいしまいです。
まっ白な子ネコがマギ。
まっ黒な子ネコがレコ。
いまはいないおかあさんネコがつけてくれたなまえでした。
「レコ、きょうは人がいっぱいいるね」
「にんげんにとってとくべつな日みたいだよ」
そうです。人がおおかったのはクリスマスというとくべつな日だったからなのです。
「マギ、さむいしおなかもへったね」
こうしてマギとレコがむかったのは、レストランのうらにあるざんぱんおきばでした。
ざんぱんおきばにつくと、たくさんののらねこがあつまっていました。
クリスマスのごうかなりょうりののこりものに、いつもはいないネコもひきよせられていたのです。
そのネコたちのなかへはいれずにマギがいいます。
「おねがい!わたしたちにもたべさせて」
一ぴきのからだの大きいネコがふりむいていいました。
「おまえらにわけるたべものはない!あっちにいけ!」
大きいネコにそういわれたマギとレコは、こわくなってあきらめてしまいました。
さむぞらのくらいみちをおなかをすかせたままあるいていると…
「かわいい子ネコたちや、クリスマスの日になんでそんなにさびしそうにしてるんだい?」
うしろからこえがしたのでふりむくと、としおいたまじょがたっていました。
レコがまじょにいいます。
「たべものがなくてこまってるんです」
「それはかわいそうに、1時間だけまほうをかけてあげるからあそこでりょうりをたべるといい」
まじょはそういってマギとレコにまほうをかけると、二ひきの子ネコはたちまちドレスをきた二人のしょうじょになりました。
マギとレコはおれいをいうと、まじょのおしえてくれた大きないえにむかいます。
そこではにぎやかなクリスマスパーティがひらかれていました。
なかにはいるとたくさんの人がいて、たくさんのりょうがならんでいました。
マギとレコがりょうりをたべようとすると…
一人のおとこの子がこえをかけてきます。
「きみたちぼくとあそんでくれないかな?一人でさびしいんだ」
マギとレコはおとこのこにうでをにぎられてべつのへやにいきまます。
そして、三人でいっしょにじかんもわすれてたのしくあそびました。
おとこのこがとけいをみていいます。
「もういかなくちゃ。そうだ、ちょうど二つあるからこれをあげる」
マギとレコがもらったのは金のブレスレットでした。
おとこのこがへやから出ていったそのとき、まほうがとけてマギとレコはもとの子ネコのすがたにもどってしまいました。
あそんだおかげでりょうりはたべられず、おなかをすかせたままさむいよみちをあるくことになったのです。
おなかがなってマギがいいます。
「あのりょうりたべたかったなあ」
「りょうりはざんねんだったけど、あの子がよろこんでくれたからいいじゃない」
そんなはなしをしながらあるいていると…
「もしかして、いっしょにあそんでくれたおんなのこたちなの?」
こえをかけたのはあのおとこのこでした。
マギとレコのくびにはまった金のブレスレットにきづいたのです。
こうしてゆうふくないえのおとこのこにひろわれ、マギとレコはずっとしあわせにくらしました。
クリスマスに起こったきせきのできごと。
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