(1)収益性分析
収益性分析は総括的に、投下資本と獲得した利益との比率を考察する資本利益率分析によってまとめられる。
資本利益率(%)= 利益 ÷ 資本 ×100
この式に当てはめる利益の種類
売上総利益 企業の製造、購入活動により得られた利益(粗利益)
営業利益 購入、施工、販売などの企業本来の営業活動により得られた利益
事業利益 = 経常利益 + 支払利息(他人資本利子)
経常利益 企業本来の営業活動および財務活動により得られた経常的な利益で、企業の正常な収益力を示す
税引前当期純利益 経常利益に臨時的な損益を加減した利益
当期純利益 企業の全ての活動により得られた利益
この式に当てはめる資本の種類
総資本 企業活動に使用されている資本の総額
経営資本 総資本のうち営業活動に直接使用している部分
経営資本=総資本 - (建設仮勘定 + 未稼働資産 + 投資資産 + 繰延資産 + その他営業活動に直接使用していない資産)
自己資本 一般的には企業の出資者である株主の持ち分
自己資本=純資産額
資本金 会社法が定める法定資本
原則として株主からの出資額(払込額)の全額が資本金
総資本利益率の種類
総資本営業利益率=営業利益 ÷ 総資本
総資本事業利益率=事業利益 ÷ 総資本
総資本経常利益率=経常利益 ÷ 総資本
総資本当期純利益率=当期純利益 ÷ 総資本
経営資本利益率
経営資本利益率(%)=利益÷営業資本×100
経営資本営業利益率(%)=営業利益÷経営資本×100
自己資本利益率
自己資本利益率(%)=利益÷自己資本×100
自己資本利益率の種類
自己資本営業利益率(%)=営業利益÷自己資本
自己資本経常利益率(%)=経常利益÷自己資本
自己資本当期純利益率(%)=当期純利益÷自己資本
デュポンシステム
自己資本利益率を売上高利益率、総資本回転率、自己資本比率の3つの要素に分解する分析方法
自己資本利益率(%)=売上高利益率×総資本回転率÷自己資本比率
↓ 右辺を分数式へ変換
自己資本利益率(%)=利益÷売上高
×売上高÷総資本
÷自己資本÷総資本
↓ 相殺等を行い整理すると
自己資本利益率(%)=利益÷自己資本
財務レバレッジ
総資本が自己資本の何倍に達しているかを示す尺度
自己資本比率の逆数(=総資本÷自己資本)となる
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