僕達の世界線は永遠に変わらない [カラスの王]

僕達の世界線は永遠に変わらない

飛鳥井んが続けて話す。

「願わくば今日一日であいつらを殲滅したい。だからチームを三組に分けて行動してもらう。まず一組目だが、八神さん、匡、結月ちゃんの三人だ。んで二組目が柴門、葵さん、美琴さんの三人。最後に飛び抜けた機動力を活かしたいから俺はソロで動く。何か依存のある人はいるかい?」

 口を出すとおおよそ思っていたが、やはり柴門さんが口を出す。

「依存ありありだぜ。何でお前だけソロ何だよ」

ニマッと笑った飛鳥井さんが答える。

「さっきも言ったが俺のナインスセンスは瞬間移動で飛び抜けて機動力がある。団体で動いてたら宝の持ち腐れというもんだろぉ?もし他のメンバーに何かあった場合に素早く動けるしな」

「それは理解した。だが俺もソロで動きたいって言ってるんだよ!」

 柴門さんが苛立ち始めた。どうやらこの人は団体行動が苦手なタイプらしい。

「お前がソロでも大丈夫なのは十分に分かってるってぇ。でもな、その火力で葵さんと美琴さんを守って欲しいんだよ」

「なるほど、俺を頼りにした組合わせということだな?」

「そゆこと。だから二人を頼むよ」

「そういうことなら分かったぜ。引き受けた!」

 最後は飛鳥井さんの口車に乗せられた感があったが、柴門さんは満更でもない顏になっていた。

 纏める必要は無いと思うのだが敢えて纏めてみる。

ソロ 飛鳥井 瞬間移動能力

A組 八神  鉄の錬金術
   匡   消滅・自己復元能力
   結月  不明

B組 柴門  ボマー能力
   葵   治癒能力
   美琴  サイコキネシス

 あれ?結月の能力が分からないとバランスが取れているのか判断出来ない…

「あの~、結月の能力って何なんですか?」
 
 本人に訊いても良かったのだが、組合わせを考えた飛鳥井さんに訊いてみた。

「そっかそっか。匡は結月ちゃんの能力を知らないんだっけ。彼女の能力は強力だぞ~、防御力抜群のバリア能力だ。使い方次第では攻撃も可能だと俺は踏んでいる」
 
 バリア…あのロボットなんかが出したりするやつか?
 かっ、かっこいいじゃないか結月。
 経験不足だがアタッカーの僕、攻守に優れた能力を持つ八神さん、それに鉄壁ディフェンダーの結月ということならバランスが取れている…

「あっ!そうそう。カラス達と遭遇した時の注意点を一つ。昨日の探索中に奴らを束ねている[カラスの王]をたまたま発見した。俺の見立てでは明らかに他のカラスと一線を画した強さを持っている。見た目も他と全然違うから一発で分かる筈だ。もし、そいつと遭遇したらこのロケット花火を打ち上げて全員に知らせてくれ」

 飛鳥井さんはそう言って、普通の2倍はあるであろうロケット花火をみんなに見せた。

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