コミックをプレゼントして貰った日から小学校を卒業するまで、「どこでもドア開発計画」に日々時間を費やして取り組んでいたのだが、残念な事にIQ300以上を誇る頭脳を持ってしても殆ど成果が上がらなかった。
それはさておき、ついでなので中学時代のエピソードも少し話しておこう。
同じ町の公立中学校に上がると身体にある変化が起こり始めた。
小学生時代はある意味ずっと引きこもり状態で、僕の身体は筋肉も付かず弱々だったのだけれど、部活もせず特に筋トレもしていないのに筋肉が付き出したのである。
この不可思議な現象は恐らく大嶽丸の影響だろうと勝手に思い込んで放っておく事にした。
最初は小学校での反省も踏まえ、中学校での学習内容は適度に他の生徒に合わせようと考えていたのだけれど、やはり我慢が出来ず半年程で中学校で学ぶべき学習内容はマスターしてしまった。
お陰様でまた家に居る事が多くなり、ゲーム作成やどこでもドア開発計画に没頭する。
瞬間移動の原理を構築する過程で様々な副産物が生まれた。
それらの副産物を無駄にする事なく、企業提供して報酬を得たものである。
ゲーム作成の報酬と合わせると年収は1億円を超え、中学校を卒業する頃の貯金残高は2億円以上あった。研究や趣味に使わなければ更に多額の貯金を出来ていたかも知れない。
そう、僕は15歳で天才にして天災の億万長者になっていたのである。
高校は両親との話合いで私立の某有名高校に決めた。一般入試を受け楽勝で合格して高校生活の基盤となる住居を探す事になる。
学生寮は性格的にも仕事的にも絶対に無理であり最初から選択肢には無かった。
かと言って年収だけ見れば大人だが法的には未成年のため、一人暮らしは学校に認められない。
僕は快適な高校生活を送る為に考え行動を起こした。
先に高校の近くにあるマンションの一室をキャッシュで購入する。
次にSNSをフル活用し「家賃、光熱費、食費無料で一部屋を提供」、「但し家事の一切をして頂きます」という 触れ込みで、同居して保護者になってくれる人を募集した。
10人を超える応募者の中から3人に絞り、購入したマンションで面接を実施する迄に至る。
時間を区切って来て貰い、男性一人、女性一人の面接を済ませ、最後の女性が入室して来た。
「あの、瀬々良木乙葉(せせらぎおとは)と申します。本日は宜しくお願い致します」
可愛い…
誤解のないように説明しておくが、この頃の僕は異性に全く興味が無かった。
ただ単純にキャラとして可愛いと思っただけである。
いやマジで。
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