建設業経理士1級 原価計算 試験対策 自己流まとめ ノ8

建設業経理士試験攻略 自己流!

工事契約の概念

 工事契約会計基準においてまず特徴づけられることは、

 「工事契約」の概念について、「基本的な仕様や作業内容を

 顧客の指図に基づいて行うもので、仕様の完成に対して対価

 が支払われる請負契約は、大別すれば次の2つ。

○土木、建築、造船、一定の機械装置の製造等での請負契約

○受注制作のソフトウェアの請負契約

受注請負契約を対象としている会計基準において、

定義の意図から含まれない。

a. 請負契約であっても専らサービスの提供を目的とする契約

  例:清掃業務の定期的な請負契約など

b. 工事に係る労働サービスの提供そのものを目的とする契約

  例:工事労務の人材派遣のような請負契約

c. 標準品、もしくはあらかじめ主要な部分について使用の

  例:定まったものの受注生産品としての機械装置の製造など

d. 施設、据付、試運転等の作業で、単に物の引渡しを

  目的とする契約に付随して行われる作業

e. この会計基準の適用範囲となる工事契約は、当事者間で

  すでに合意されたのものであり、交渉過程の段階にあるもの

工事会計基準の適用範囲

○請負としての建設工事

工事の最も典型的な事業は、建設業によって実施される建設工事

 である。建設業法にいう建設業とは、請負、下請その他いかなる

 名義をもってするかを問わず、建設工事の完成を請け負う営業を

 いうものとされている(建設業法第二条2)。

 また、その建設工事とは、土木建築に関する工事で別表の上覧に

 掲げるものとされ、別表には、土木一式工事、建築一式工事のほ

 か、大工工事、電気工事、鉄筋工事、しゅんせつ工事などの専門

 工事が列挙されている。

 これらの工事は、建設業法においてその業を営むものは許可を受

 けなければならないが、わが国において、その許可を受けて建設

 業を営む事業者は、いわゆるゼネコンなどの建設業の分類に属す

 るもののほか、鉄鋼、電気、輸送用機器、陸運、電力・ガスなど

 の業種に属するものによっても建設業の許可を得て業を営んでい

 るものを広範に含む。

 以上のような伝統的建設工事は、この工事契約会計基準の適用範

 囲の事業となる。ただし、施設、据付、試運転といった簡易な作

 業でいわゆる工事に該当するものがあるが、これらの作業がこの

 会計基準の適用範囲に含まれるか否かは、契約の主たる目的が、

 この会計基準の工事契約に該当するか否かによって判定すること

 になる。単に物品の引渡しを主たる目的とした契約に付随的に実

 施される作業の場合には、当該作業は、適用範囲に含まれない。

○顧客の指図に基づいて行う請負製品製造

 この会計基準の「工事」には、「請負としての建設工事」にいう

 建設工事ばかりでなく、基本的な仕様や作業内容について顧客の

 指図に基づいて行う船舶、車両、航空機等の輸送用機器、並びに

 基本的な仕様や作業内容について顧客の指図に基づいて行う重電

 機、工作機械等の機械装置類の製造も含まれることに留意しなけ

 ればならない。一般的には、造船業や機械製造業等によって営ま

 れる事業のうちこの基準の工事契約の要件を満たす業務が含まれ

 る。よって、機械装置の製造ではあっても標準汎用品を製造する

 ような場合や、特定の顧客からの受注であっても、あらかじめ主

 要な部分について仕様の定まったものを量産するような場合には、

 この適用範囲には含まれない。また、移設、据付等の簡易な作業

 の取り扱いについては、「請負としての建設工事」と同様である。

○プラント系建設事業

 上述の伝統的な建設と製造を複合した形の事業に、いわゆるプラ

 ント建設事業がある。たとえば、発電プラント、科学プラント、

 エネルギー・プラント、石油開発プラント、汚水処理プラント、

 環境設備プラントなどかなりスケールの大きいビジネスで、単に

 躯体や施設の建設、大規模製品の納入とは異なり、発注者と一体

 となって設計からシステム構築、施設建設・装置製造、据付、試

 運転などの過程を、プラント・エンジニアリング技術を総合的に

 駆使してその業務を実施する事業である。

 このような事業をプラント系建設事業と呼ぶし、工事契約会計基

 準における工事もしくは工事契約の定義にしたがえば、これらは

 この基準の適用の範囲に含まれる事業である。ただし、一般にい

 うプラント事業に含まれるとしても、売買契約によって設備・製

 品等の個体を納品して据付をするといったビジネスは、工事でな

 く物品の売買を主目的とする商事の範疇に属するものと解される。

○受注制作のソフトウェアの業務

 工事契約会計基準にいう「工事契約」には、一般的な請負工事契

 約とともに受注ソフトウェア制作の取引契約もこれに含めること

 とされ、請負工事に準じた会計処理および開示をすることとなっ

 た。

工事契約の係る収益の認識基準と原価計算

 工事契約会計において最も関心が高く重要な規定は、いうまでも

 なく、工事契約に係る収益の認識基準に関する規定である。

[工事契約に係る認識基準]

9.工事契約に関して、工事の進行途上においても、その進捗部分

 について成果の確実性が認められる場合には工事進行基準を適用

 し、この要件を満たさない場合には工事完成基準を適用する。成

 果の確実性が認められるためには、次の各要素について、信頼性

 をもって見積ることがでいなければならない。

 (1) 工事収益総額

 (2) 工事原価総額

 (3) 決算日における工事進捗度

  

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