建設業経理士1級 原価計算 試験対策 自己流まとめ ノ7

建設業経理士試験攻略 自己流!

完成工事原価報告書

 原価計算の結果は内部および外部への報告目的のために、

 「完成工事原価報告書」としてまとめられる。

 内部報告用のものは各種の管理目的のために自由に作成

 され、すでに述べた原価計算表を代用することも多い。

 また、外部報告書としての「完成工事原価報告書」は、

 財務諸表としての損益計算書・完成工事原価の内訳明細書

 であり、その様式等については、原価計算の範囲外にある。

 国土交通省令「建設業法施行規則」では、その様式第16号

 「損益計算書」の中で次のような様式を示している。

           完成工事原価報告書

         自平成  年  月  日

         至平成  年  月  日

                      (会社名)

Ⅰ 材料費                 ☓☓☓  千円

Ⅱ 労務費                 ☓☓☓

  (うち労務外注費       ☓☓)

Ⅲ 外注費                 ☓☓☓

Ⅳ 経 費                 ☓☓☓

  (うち人件費         ☓☓)

   完成工事原価             ☓☓☓☓

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Ⅰ.材料費

① 工事のために直接購入した素材等をいうものであるから、

  実質的に直接材料費である。

② ただし、共通仮設材料の消耗額等を含むから、たとえ

  損料計算を行っていても、間接費配賦額を含むことがある。

Ⅱ.労務費

① 工事に従事した直接雇用の作業員に対する賃金等であるから、

  実質的に直接労務費であり、現場管理者等の一般にいう労働

  費は含まれない。

② 大部分が労務費である外注費は、労務費中に含まれることが

  ある。通常これを労務外注費と呼んでいる。

Ⅲ.外注費

① 主として材料等とともに工種別の作業を発注したもので、

  実質的に直接費である。

② 外注費であっても外注労務費はここに記載されない。

Ⅳ.経 費

① 動力用水光熱費等の工事経費であるが、工事間接費的な

  材料や労務費も含まれる。その内、従業員給料手当、

  退職金、法定福利費および福利厚生費、経費欄の下に

  人件費として内書する必要がある。

② 現場管理費等で配賦されたものもここに含まれる。

工事別原価計算の要点

○一般の製品別計算は、経営における生産形態の種類に応じて、

 総合原価計算個別原価計算に大別される。

 建設業では請負に基づく受注産業であるから、原則的には

 間接費の配賦を重視する個別原価計算が適用される。

○個別原価計算手続をまとめると次のようなプロセスを経ること

 になる。

 ①受注した工事別に工事番号を定め、工事部等に対して

  工事指図書を発行する。

 ②発生工事原価要素を所定整理科目表により、コード番号を

  付した費目別に集計する。

 ③工事指図書別に直接費間接費に大別し、直接費は各々、

  材料費、労務費、外注費、経費に細分される。

 ④直接費は発生の都度、あるいは定期的に各工事台帳に

  記入する。

 ⑤工事間接費あるいは現場共通費は、工事間接費台帳に

  記入するが、定期的に工事間接費配賦表に振り替えられる。

 ⑥各工事台帳に集計された工事原価は、未成工事支出金

  して処理され、工事の完成引渡時に完成工事原価勘定

  振り替えられる。。

  

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