工事原価の部門別計算
部門別計算の意義
○より正確かつ妥当な工事原価を算定すること
○原価部門別の原価データを利用して、
効果的な原価管理を実施すること
「原価計算基準」による原価部門の定義
原価部門とは、原価の発生額を機能別、責任区分別に
管理するとともに、製品原価の計算を正確にするために、
原価要素を分類集計する計算組織上の区分をいう
部門別計算における一般的配賦計算
部門共通費の配賦
費目計算を通過した原価要素の全部または一部は、
部門別計算において、まずこれを各施工部門および
各補助部門に賦課あるいは配賦する
この際、当該部門において発生したことが直接的に
認識できる原価を部門個別費と呼ぶのに対し、
いくつかの部門に共通的に発生していると考えられる
原価を部門共通費と呼んでいる
補助部門の配賦
補助部門は、直接あるいは間接に施工部門の作業を
助けているのであるから、次に補助部門費を
各施工部門に配賦する。
補助部門費の施工部門への配賦方法
○直接配賦法
補助部門は施工部門にのみサービスを提供しているという
前提で、最初から施工部門にのみ配賦を行う方法
○階梯式配賦法
他の部門にもより広くサービスを提供している部門から
配賦計算を進めていく方法
○相互配賦法
補助部門間のサービス授受の実態を適正に反映させるために、
補助部門間の振替数値のやりとりをしなければならない。
相互配賦法が最も厳格な配賦計算である
特有の部門別計算
補助部門の施工部門化
工具製作、修繕、動力等の補助経営部門が相当の規模となった
場合には、これを独立単位とし、計算上製造部門として取り扱う
現場管理部門費の直接配賦
一部の補助部門は、必要がある場合にはこれを製造部門に配賦
しないで、直接に製品に配賦することができる
工事別原価の計算
工事別原価計算と個別原価計算手続
(1)製品別計算(工事別計算)の意義
原価計算基準による定義
原価の製品別計算とは、原価要素を一定の製品単位に集計し、
単位製品の製造原価を算定する手続をいい、原価計算における
第三次の計算段階である。
製品別計算のためには、原価を集計する一定の製品単位すなわ
ち原価単位を定める。原価単位は、これを個数、時間数、度量
衡単位等をもって示し、業種の特質に応じて適当に定める。
個別原価計算としての工事別原価計算
個別原価計算の本質と特性
○個別原価計算は、あらかじめ計算対象の生産量、納入期日、
価格等を特定する形で生産が進行する企業に適している。
○特定生産物の個別生産には、生産管理上、製品指図書の発行
が不可欠である。一般にはこれを特定製造指図書といって、
同種規格品の量産に使用される継続製造指図書と区別されて
いる。個別原価計算は、この特定指図書に付された番号別に
原価を集計する手続きであるから、この書類は原価負担者の
識別に不可欠なものである。
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