工事間接費(現場共通費)の配賦
工事間接費の意義
○材料副費のうちで各材料の取得原価に算入しなかったもの。
○技術や現場管理に関する従業員の給料手当等
○長期保有物品の損耗分および稼働に関する支出
○複数の工事を管理する現場の諸経費
工事間接費の配賦
各工事への配賦額=各工事の配賦基準数値の実際額
×配賦率
配賦率=一定期間の工事間接費実際額あるいは予定額
÷同上期間の配賦基準数値の実際あるは予定総計
配賦基準の設定方法
○一括配賦法 すべての工事間接費をまとめて1つの配賦基準で
配賦する
○グループ別配賦法 類似性の高い原価要素をグループ化し、
そのグループ別の配賦基準で配賦する
○費目別配賦法 各費目ごとに別個の配賦基準を設定し、
個別に配賦する
配賦工事間接費の実際・予定の相違による方法
○実際配賦法 配賦率算定式の分子を工事間接費実際発生額として
配賦率を算定し配賦する
○予定配賦法 配賦率算定式の分子を一定期間(通常は1年間)に
ついて予定される工事間接費発生額とし、それに
基づいた配賦率によって配賦をする方法
○正常配賦法 算定方法はほぼ予定配賦額法と変わらないが、
間接費配賦の正常性(操業度変動による配賦額の
ばらつきを排除)を強調した方法
配賦基準数値の相違による方法
減額法
○直接材料費法
○直接賃金法
○直接原価法(素価法)
時間法
○直接作業時間法
○機械運転時間法
○車両運転時間法
数量法
材料や製品の個数、重量、長さ等の数量を基準とした方法
売価法
各生産物の工事間接費負担能力を重視した方法
予定配賦・正常配賦と配賦差異
予定あるいは正常配賦率=一定期間の工事間接費予定額(予算額)
÷同上期間の基準操業度
分子となる工事間接費の予算には固定予算と変動予算がある
弾力的な原価管理のためには変動予算方式が望ましい
分母となる基準同業度
○次期予定操業度
○長期正常操業度
○実現可能最大操業度
配賦差異は原則として月次では処理せず、
会計年度末での残額を一括処理する方法
○すべて売上原価たる完成工事原価に分配して加減する
○当期完成工事原価と期末未成工事原価に配分して加減する
○営業外損益とする
ABC(活動基準原価計算)
ABC(Activity Based Costing:活動基準原価計算とは、
伝統的な部門別計算を廃して、製造間接費をできる限りその発生と
関係の深い(アクティビティ)に結びつけて、その活動に集計され
たコストを直接的に製品やサービスに賦課する手法
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