「カカカッ!巨大猫と弱そうな人間がイキっておるわ。何処で勝負しても我の勝利は揺るがぬ。望み通り地上戦をしてやろう」
「僕はイキってないけどな…でも『弱そう』って…なんか腹立ってきた」
見た目は普通の人間なのだから仕方がないと言えば仕方がないけれど、匡がカラハグの見解に若干苛立った。
一人の人間を不愉快にさせたカラス王がチャラの要望に応え、翼の動きを緩めて地上に降り立つ。
「匡、オレは最初から全力を出して奴に突っ込む。隙が出来た瞬間に消滅技をぶち込んでやってくれ」
「了解」
猫にリードされたが、この緊張する場面において反論する余裕など無く、匡は素直に従うことにした。
その間にもカラハグが歩いて一人と一匹との距離を縮める。
「ん!?」
歩いていたカラハグが突然歩みを止め棒立ちになった。
「カカッ。この力は…超能力女の仕業だな。ほう、以前より能力が強化されいる。だが」
カラハグがサイコキネシスによって動かせないはずの首を横に向ける。
「くっ!?きもい!あいつこっちにきづいちゃったわ。しかもサイコキネシスが完全に機能してない!?」
どうせ居場所がバレるならとサイコキネシスでサポートした美琴だったが、距離があるとはいえカラス王に凝視され僅かに怯んだ。
「行くぞ!匡!超爆電気!」
「おう!」
「ヴァリヴァリヴァリヴァリッ!!」
カラハグに起きた異変に気付いたチャラが、幹部四人衆が一人グラマラスなリーベを瞬殺した時と同じように、最大出力の電気を発生させ身に纏った。
一度この技を目撃したことのある匡が先に駆け出す!
「電光石火!神千切りっ!!」
技を発動させたチャラが一瞬で匡を抜き去り、止まっているカラハグの首を狙って飛び跳ねた!!
凄まじい速さの攻撃!しかも完全でないとはいえ、敵はサイコキネシスで動きを封じられている状態。確実に技が決まると思われたのだが!?
「ズドン!!!」
「ギャッ!?」
まさかの右アッパーを顎に喰らったチャラが悲痛な叫び声を残し上空に吹き飛ぶ!
「消えろカラス!!真空崩壊砲!!」
間髪入れずに匡が右腕を振りぶり攻撃を仕掛ける!
「ボォキッ!!」
「っ!!??」
カラハグはチャラが作ろうとした隙など微塵も見せず、美琴のサイコキネシスなど無意味と言わんばかりのスピードで左フックを繰り出し、その拳が匡の右頬を捉え首の骨を叩き折ってしまった!
「!?」
何かを察知したカラハグが間をおかず真上に視線を移動!
「死ねっ!」
葵らの居る部屋から瞬間移動した飛鳥井が真上から刀を振り下ろす!
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