「カァッ!?そんな単純な攻撃など喰らうか!」
ヴォルガが自身に向かって来る特大光球を避けようと、半分は焼け焦げた翼を広げ地上から飛び立つ!
「鉄錬金!アイアンランス乱れ撃ち!」
隙を伺っていた八神がすかさずヴォルガを狙い20本以上の鉄の槍を出現させ放った!
「鉄の槍ならこうだ!カァツ!」
「ボウッ!」
鉄の槍如きなら消してしまえと言わんばかりに火球を吐き出す!
飛び立ったばかりだったヴォルガだったが、八神のこともしっかり視野に入れいていたらしい。
「カァ!?」
ここでヴォルガの予想を超えた動きがあった!
柴門の放った特大光球が空を切り何処へやらで起爆するのかと思いきや、鉄の槍の軌道に乗って突っ込んで来たのである!
無論、これは柴門の仕業ではなく、二階建て家屋の部屋からサイコキネシスを使った美琴の仕業であった!
「カッ!ズッボォォォォォーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!」
またしても自らが放った火球が起因の大爆発が起こる!!
だが此度の爆発の破壊力は先ほど比ではない!柴門が現状で放てる最大出力のギガントボムによる爆発規模は5倍以上にも及ぶ!
しかもヴォルガは己のガタイの良さと巨体から、羽の生えた鳥でもあるとは云え俊敏には動けず、至近距離での起爆を回避する術は無かった。
「ウガァァァァーーーーッ!!!!」
断末魔の叫びが辺りに響き渡る!!
その強靭な肉体でさえ、ギガントボムと火球の融合大爆発の威力には流石に耐えきれず千切れ焼け吹き飛び、近くに寄っていた数十羽の化け物カラスも被曝し生命を絶たれたのだった。
「っしゃぁ!呆気なく片付けちまったぜ!っとまだ残ってるんだったな」
強力な爆風をもろに受け30mほど吹き飛んだ柴門が喜びも一塩、まだ180羽近く生き残っている化け物カラスの一部が向かって来ることに気付く。
「てめぇらならこれで十分過ぎるだろ!行けっ!流星ボムッ」
「ボムッ!ボムッ!ボォムッ!」
20を超える光球が面白いように化け物カラスの身体にヒットし、一撃で戦闘不能となり次々と空中から地上へ落下する。
戦闘の才が優れているこの男の能力はたった一日で、否、たったの数時間で飛躍的に向上し、威力もスピードも明らかに増していた。
「八神さん!わたしに特大の鉄の槍をプレゼントしてくれないかしら!?」
「分かった!ちょっと待って!…鉄錬金!アイアンランス!特盛!」
家屋の影に隠れて爆風の難を逃れた八神が美琴の意図するところを察し、全長10mにも及ぶ特盛の鉄槍を出現させる。
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