僕達の世界線は永遠に変わらない [盲点]

僕達の世界線は永遠に変わらない

「八神さん!そいつから距離をとってくれ!」

 ボマー能力の思わぬ盲点!?

 反撃に転じようとし柴門だったが、八神とヴォルガの距離が5mくらいしか無く、爆発に巻き込まれる可能性を考え攻撃を控えたのである。

 柴門の技はその破壊力ゆえ、使いどころは冷静に見極めねばならない。

「了解!鉄錬金!拘束する鎖!」

「シュルルルルルルルル!ピキーン!」

「カァッ!?」

 八神が能力による技を発動し、屋根から生えるように現れた鉄の鎖が瞬く間にヴォルガを拘束した!

 自ら作った時間を利用してヴォルガとの距離を八神が広げる。

 いつでも技を放てるよう準備していた柴門が動く!

「っしゃぁ!ヘビーボムッ!」

 柴門の放った光球に反応したヴォルガがクチバシを開け火球を吐き出す!

「バゥッ!」

「ヴァウンボォーーーーーーン!!!」

 火球と光球がぶつかり合い、足場になっていた平家が全壊するほどの大爆発を起こした!

 技を放ったあと直ぐにその場を離れ、次の攻撃を繰り出す体勢に入ろうとした柴門が呟く。

「馬鹿かアイツ…あんな至近距離で大爆発を起こしやがった。あれじゃ無傷で済むわけがねぇ」

 確かにヴォルガの取った選択肢は防御のつもりだったろうけれど間違いだったのかも知れなかった。
 柴門の技と自らの技がぶつかり合い、結果としてヘビーボム以上の大爆発を至近距離で起こしてしまったのだから…

 爆煙が徐々に晴れ、大爆発により全焼したあとの家屋のようになってしまった場所に、拘束されたままのヴォルガの姿が薄らと見え始める。

 その姿は全身がプスプスと焼け焦げ、立ち尽くしたまま焼き鳥状態になっているとも云えた。カラスの焼き鳥は不味いという噂だが…

「呆気ねぇなぁデカブツ!もしかして死んじまったのか?」

 柴門の声にヴォルガがピクリと反応する。

「き、貴様ぁ…よくも、よくもやってくれたな…」

「おっ!?生きてやがったか?半分はてめぇの自業自得による結果ってもんだぜ焼き鳥野郎!精々猛省しやがれ!」

 柴門の挑発的な言葉を聞き、ヴォルガの何かが「ブチッ」と音を立てる。

「殺す…殺す…殺す殺す殺す殺す殺す!絶対絶対殺してやるぞーーーーーーーーーっ!!!!」

「パッキィーーーン!!!」

 ブチ切れたヴォルガが自慢の筋肉を張り力を込め、鉄の鎖を最も簡単に粉砕した!

「最初からそうしてれば良かったのになぁデカブツ!だがもう遅いぜ!ギガントボムッ!」

 柴門がキレたカラスを挑発し作り出していた特大爆弾を放つ!

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