正確には美琴とのサイコキネシスとボマー能力のコンボによって、かなりのダメージを負ったキガイの目に映るは爆煙のみ。
その爆炎の先から柴門の声が届く。
「てめぇが敵じゃなけりゃ俺は結構気に入ってたかもしれねぇな。だが現実にはてめぇが敵であることは事実。この戦いは案外楽しかったぜキガイ!しかしそれももう終わりだ!楽に砕け散れ!ギガントボムッ!」
柴門が最後の花向けとばかりに敵の名前を初めて呼び最大出力でとどめの技を放った!
「ズッ!ドォーーーーーーーーーーーーーン!!!!」
「カァーーーーーーーッ!?!!!」
爆音とキガイの断末魔の叫びがほぼ同時に響き渡り、空中に然るべく?して大爆発が起こる!
化け物カラスの中でも幹部として君臨する実力者のキガイといえど、覚醒によって得た能力を無限に使用できるわけではない。
先行して受けた技によって背中の翼や身体の本体のダメージがひびき、上手く身体を動かせず能力による防御もままならない無防備となった体勢へ柴門式大型爆弾の直撃。
これには高い強度を誇るキガイの身体も耐え切れず、しなやかな筋肉で構成されていた身体が一瞬にして木っ端微塵となったのである。
爆煙が晴れたけれど、そこにカラス群幹部キガイの姿は見えなかった。
「しゃーーーーーっ!大勝利だぜ!っと八神さんは大丈夫か!?」
戦闘に勝利した柴門がガッツポーズを取って喜ぶを表し、気絶した八神のもとへ駆け寄ると…
「おぉ!柴門君!その様子だとあの大きいカラスを退治できたようだねぇ♪」
八神が気絶させられた場面を見ていた葵がいつの間にやらマンションを出て回復に当たっていたらしく、ヒーリング能力発動中の手を休めず笑顔で柴門を迎えた。
「おう!美琴との合わせ技でやってやったぜ!しかも今回の俺はノーダメというおまけ付きだ!」
カラハグ戦では秒で瀕死となってしまい、葵のヒーリング能力にたっぷりと世話になった苦い経験から、無駄に激しくダンスを踊って体調が万全なことを猛アピールする柴門であった。
それから程なくして八神が意識を取り戻し、美琴もマンションから移動して四人全員が集まる。
「よぉ美琴!俺の意図を読んでくれてありがとな。完璧なコンビネーションだったぜ!」
此度のキガイを一気に粉砕した連携は、切れ者で察しの良い美琴だったからこそ、ぶっつけ本番で合わせることができたのかも知れない。
「前回は気絶してばかりだったからね。これで面目躍如できたかしら?」
「ああ、もちろんだ!」
柴門がニヤリとして美琴にグッジョブポーズをとる。
こうして四人はカラス軍幹部キガイの撃破に見事成功し、八神の回復を待ったのち東へと進んで行くのであった。
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