「カァ?、あの人間はバカなのか?自ら居所を教えるとは…しかもたった一人とはな。お前達!敵はあの電波塔の上だ!」
カラス顔のキガイはカラハグより背が高く身長が3m以上もあり、カラス柄?人柄?も荒々しい。
部下の化け物カラス達に電波塔を指し示し向かうよう促した。
柴門の流星ボムで1割ほど減少したが、まだ170羽以上残っている化け物カラスの群れが一斉に電波塔へ向かう。
「へっ!まんまと誘いに乗って来やがったな。もう一回やったるかーっ!っと待てよ…攻撃を避けられて散ってしまったら囮の意味がないか…よし、ここは自粛しておこう」
攻撃的な性格の柴門ではあったが、八神の作戦を潰してしまうほど愚かではないようだ。
鳥だけあって化け物カラスの移動速度は流石に速く、あっという間に距離を縮め、電波塔のてっぺんで腕組みをしながら仁王立ちする柴門に向かって先頭の化け物カラスが襲いかかる!
「カァーーーッ!」
「鉄錬金!アイロンネット!」
電波塔の下に姿を表した八神が叫んだ!
生成して地面にストックしていた鉄の網が凄まじい速さで上空に飛んで行く!
「おっし!溜めのタイミングはここだな」
「キィーーーーーーーン!」
柴門が示し合わせたように能力を発動させ両手に光球を出現させ膨らませる。
その間に八神がキガイを含む全ての化け物カラス達を鉄錬金のアイロンネットにより、数秒で一網打尽することに成功した。
囲まれて身動きの取れなくなった群れに向かって柴門が叫ぶ!
「お前ら残らず爆ぜてしまえ!喰らえや!ギガントボム!」
「ドムッ!」
両手の巨大な光球を自身の目の前で融合させ、そのまま両手を突き出し、さらに巨大に膨れ上がった光球を弾くように飛ばした!
鉄の網の虜となった化け物カラスの群れに、超巨大な光球が猛スピードで一直線に向かい直撃する!
「カッ!!ドッオォーーーーーーーーン!!!!!」
目の眩むような光が住宅街全体に一瞬届き、コンマ何秒か遅れて凄まじい爆音を立てて大爆発が起こった!
「ンッギャーーーーーーッ!?!!!」
群れの表面に位置していた化け物カラスは叫ぶ間も無く爆発の威力で絶命したが、直撃を免れた後方の化け物カラス達も超高温の熱により絶叫を上げ次々に息途絶えていく。
前回、八神が匡との連携でこの作戦を実行した際は、匡の消滅能力で苦しまずに一瞬で消えていった化け物カラス達だったが、今回は柴門の能力によって上空で大火事が起こり、生き物が焼けて異臭を放つ不気味な光景が作り出されたのだった。
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